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本日の日替わり弁当・ミートローフとグラタン弁当

昨日は歓迎会。飲みすぎた翌日の弁当は辛い。グラタンを二日酔いで作ってはならぬ。
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うっぷ・・・・


おかずはチキンソテー、ミートローフ、ペンネとソーセージとシメジのグラタン、ハッシュドポテト、リンゴ。味見をするとコッテリ系なので、今朝はちょっと辛かったとです。

「業務用冷食について考える」
昨年、横浜パシフィコで開催されたフードビジネスショーにお客さんと行った。
通販をやっている会社の社長なので、全国から出店してきている地方の物産で使えそうなものをリサーチするので一緒に来てくれ、ということで同行させてもらった。

食材はもちろんのこと、厨房機器、各種サービスまで食に関するあらゆるものが集まるこのイベントは素人が見ていても面白い。

その中で僕が興味を惹かれたのは業務用の冷食メーカーだった。
和食の調理済み食品のラインナップの凄いこと!

湯葉の茶巾包み、手毬寿司、かぶら蒸し、各種寄せ物などないものはないくらい。
旅館や割烹で見かける手の込んでそうな料理の大半が冷凍食品で提供されている。
見栄えはきれいで大きさも整っている。
仕入れさえできれば、料理の技術は皆無でも料理屋が開業できる。

これについて知り合いの食品卸の部長が言うには、「結婚式場で出ている料理の中で冷食でないのは刺身くらいだよ。それもサクにしたものを仕入れて切るだけ。〆に出てくる蕎麦だって(ある地方では宴席の最後に立ち和の蕎麦といって必ず一口お蕎麦が出る。)手打ちに見えるように太さをランダムにできる製麺機で打ったものを使って手打ち蕎麦って言い切るとこだってあるからね。ひでぇ話だよな。」ということらしいのである。

甥っ子が板前をやっていて、数年前にホテルのコックを辞めて幾つかのお店を転々とした後、今は老人介護施設の給食をやっている。彼がホテルを辞めた理由は上で書いたような大規模な厨房の実態が分かって、料理を作らない料理人は厭だと言って辞めてきたのである。

その彼が面白いことを言っていた。

「テリーヌを作ることがあるとばってん、完璧にできたと思うて出すやない。そしたらね、冷凍食品のごたあて言われるっちゃん。おかしかろう、それ?良い仕事しとうとに、出来合いもんを出したみたいに見られるっちゃけんね。まぁ食べりゃ違いは歴然としとうけんね、いいっちゃばってん好かんよね~。」

同じことが僕自身もあるホテルのレストランであった。

先付けで出された寄せ物を加工品を切って盛り付けたものだと思って食べていた。
味付けも良いもので、「最近の業務用冷凍食品って侮れないよね。」と言っていたら、それはそこの板前さんがきっちり仕込んだものだったというのが後日分かった。
先付けだから、効率よく手早く出せるものと勝手に決め込んでいた僕がアホだったのでとても反省したのだが、ある意味それくらい精度の高い冷凍食品も探せば世間にはあるということだ。

手作りの良い仕事をすると工場生産したものに接近してしまう。
この違いを分かるようにするためにはどうしたら良いのだろうか、と娘と討論したことがあった。

適度にいびつであったり、形が違っていたりするとそれは分かることなんだろうか?
それとも「手作り」とPOPなどでアピールすれば良いのだろうか?
席に料理を配る時にホール担当者が一言添えれば良いのか?
いろいろと考えることはある。

見た目はどうあれ、舌がそれに騙されないことが何より大切なようにも思う。
また、冷凍食品でもおいしくできているものは理屈抜きにおいしいのだろうから、効率よくやらざるを得ない場面では上手に利用するということなんだろう。

だんだんと出来合いでもレベルの高いものが出てくると、おいしい料理を作っているのはホントは誰なんだろう?とふと疑問に思う。工場の技術者がハイレベルな料理人だったりするのかもしれない。

今日使ったホワイトソースを自分で作ると生クリーム、バター、スープストックなどの良質のものを全部一通り揃えると恐ろしくコストがかかるので、申し訳ないけれどレトルト品を使っている。
適度なコクや塩味の加減など本当によくできている。
自分で作るよりもはるかにおいしいのである。

しかし、だんだんとそれに慣れてしまうと、本当の手作りのホワイトソースの旨みが分からなくなってきて、インパクトの強い出来合いの味に慣れていってしまう。
これが怖いと思う。

甥っ子も調理の量の都合上、給食では鰹節から出汁を引くことは無理だから、出汁の素を使うが、簡単に濃い出汁を作ることができるので、ついつい多めに使ってしまうという。
それに慣れきった舌は本当に丁寧に引いた一番出汁の繊細なおいしさが分からず、単に薄い出汁と思ってしまうのだと言う。

たまにはここぞ!というお客さんを迎えるような時には本気で出汁を引いてから料理をしたいもんだと思う。昔のかあちゃんたちはそれをごく当たり前にやってたわけだから、できない訳はないはず。

便利なものがなかった時代の方が食材一つとっても栄養価がきちんとあり、香りがあり、季節があっておいしかったのである。
その時期を越えて生まれてきた昭和30年代の僕らの食の感覚は、昔の人たちと比べるとどこかでおかしいかもしれない。
伝統的な食事をして体を作ってきた親世代は長生きできても、添加物とインスタントで育った自分たちはあまり長生きできないかもと、ふと不安に思ったりする。

やっぱり食事って基本が大切ね、ということで本日のお昼休みはおしまい!
by yamomet | 2006-02-16 08:34 | ごはん・ランチ


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