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オークションの良心とは?と考え込む

たまたまオークションを覗いていて、あるブランドで検索をしてみたら、いくつかの見慣れた商品がヒットしました。先日、某インテリア生活用品ショップで見かけたものです。
値段も店頭売価が公式サイトですべて公表されているものです。

「オークションに出品する人もいるんだなぁ、確かに卸値みたいな商品もあったしなぁ。」と思っていたわけですが、仰天したのはその価格。

店頭価格で590円だった4本セットの包丁+包丁立てを入札開始価格1800円で出品。
文字通りに目を疑いました。

オークション主催者にこういうのは大丈夫なの?という質問を送ってみたら、次のような回答がありました。
「お問い合わせいただきました「出品されている商品」についてご案内いたします。

×××オークションは利用規約と×××オークション・ガイドラインに沿って運営しております。たいへん恐れ入りますが、個別の出品に関して×××オークションでは判断いたしかねますので、ご了承ください。

×××オークション・ガイドラインにあるとおり、出品に関する責任は全て出品者にあります。」

ということなので要は原価の何倍の値付けをしようともそれは出品者の判断であり、それを落札した後に市販価格が数分の一だったことが分かり、「とんでもない!」と怒るのは当事者同士にしてくれという話と理解できます。

安く仕入れて高く売るのは商売の常道ですから、それはそれで良いんですが、それはあくまでも末端の消費者に原価が明らかにされていない場合だと思います。
原価の想像はついても、それに対する付加価値が認められていれば、実際には設定された値段で買います。

しかし、その業界事情は手間賃で利益を取っているだとか、材料を節約して粗利を稼いでいるとかいろんな仕組みがあるわけで、それは材料屋さんや納品業者さんと小売業者の間でだけ流通する情報でないとまずいわけです。

今回、問題視している商品はインターネットで価格が公表されていますので、全国どこからでも何が幾らで売られているのかを知ることができます。
また、個人代理店などの制度を持っていないので、個人出品している場合は当然お店で買ってきたものを再度販売するわけです。

今回の販売元のショップがない地方の人がそれを手に入れたいと思ったら、個人的に代行して買ってくれる人を探して頼むくらいしか方法はないわけです。
それを逆手にとって、オークションで店頭売価の3倍近い値段に釣上げるのは良識を疑いました。
そういった事情を知らない方なんだろうと思いますが、その言い値で落札していらっしゃいました。本当に不憫です。そんなに価値があるとは思えない質のものなのに。

他の出品を見ると、その出品者は基準として仕入れ値の3倍が入札開始価格というルールにしているようでした。

もう一つのビックリしたことは無料配布のカタログまで値段をつけて出品しているのです。
言ってみれば、フリーペーパーのホットペッパーを勝手に値段をつけて販売しているということですよね。

常識的な商売をするのであれば通常の売価に若干の手数料を載せる程度で抑えるのが普通だと思うんですが、どうでしょう?
まして、無料で手に入るものを送料以上の利益を乗せて売るということ自体は本家本元のショップはどういう判断をするんだろうかと思いました。

オークションと言っても必ずしも良識的な出品者ばかりではなくて、ネットショップ本店で売っている売価を入札開始価格にしているのもあります。

自分が入札をかける場合は同じオークション内でどの程度の値付けが妥当なのかを調べ、次にインターネットショップでの相場がどの程度か価格コムなどで調べてから本腰入れて入札にかかります。
そういう準備の仕方をよく知らないとそこらへんで買った方がはるかに安かったりすることもあります。調べた上であっても高く買ってしまった場合は仕方ないですね。

ただ、モノの価値として貴重なもので、そこでしか手に入らないものであれば、元々の値段よりもうんと高く競り落とされることがあるということはあるでしょう。
しかし、同等品がごくごく日常的に100円ショップなどでも購入できるようなものの場合までこんな形であっても良いのかい?と思いました。

結局のところ、何百点出品しても賢い人はそんなところで買わないので、最終的には目先の小銭に目がくらんでいる出品者が最後に損をするんだと思いますが。

何だか、この一件だけは腑に落ちないのです。
by yamomet | 2006-11-15 00:50 | 世の中の雑事


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