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足臭男の襲撃

先日、小田急に乗っていたら、目の前に色の黒いだらだらの格好のお兄ちゃんがいた。
鼻ピー、光物ジャラジャラ、腰パンでいかにも今風のだらだらスタイル。やたら色が黒くててかっているのでなんかつけてるのかと思ったら、洋服が垢でガビガビなので、その顔色は垢で黒光りしているらしいことが判明。
体臭がきつくて、誰も隣に座ろうとしない。ホームレスかと思ったが、携帯電話で通話もしているし、まるきりの貧乏さんでもないらしい。札入れの金も勘定したりしているし。

汚ギャルではなくて「汚ボーイ」のようだ。

そいつが何を思ったのか、携帯をポケットにしまうと踵の磨り減ったワークブーツをやおら脱ぎ始め座席に胡坐をかいた。周囲は見るとなしに皆が大注目。
すると、踵とつま先の両方に穴の開いた靴下を半分脱いで足の裏の皮がふやけてめくれているところを指でぺり~ぺり~とむしり始めるではないか!
大きな皮が剥けると顔の前に持っていって、無表情に眺めてそれを座席の空いているところへポイと捨てる。
その繰り返し5分。余分な皮を取りきってしまったので満足してワークブーツを履いて次の駅で降りていった。同乗していたお客がみんな息を殺して注視していたのは言うまでもない。

彼が下りた駅で新たな乗客が乗り込んできた。
彼が白く築いた足の皮の上に何も知らない不幸な老主婦が普通に座った。状況を知っている人たちが「あっ!」と小さな声を上げたが、車内も混んできていたのもあって結局誰も教えてあげることができなかった。自分も何もできなかった。細かい説明をするだけの勇気もなかった。

車内暴力のうちに入るんだろうな、この足の皮不潔攻撃も。
あの不潔男はどうやったらできあがっていくんだろうという疑問がふつふつと湧いてきた。不潔感を基本的に感じていなければ、あの行動自体はすごく自然な行動ということになっていくわけで、これを常識と考えるか非常識と考えるか(けっこう極論なのであるが)、本人の価値観によって行動が正当化されてしまう。
注意すれば命の危険がある場合さえあるから、迂闊に注意できないのも現実問題。
そうすると悪かろうがなんだろうが自己中心を貫くものは周りを制するという法則すら成り立ってきそうな感じである。自己中心を注意できない僕らも僕らだ。
「なんとからしく」というように決め付けをするのは良くない、という風潮とこういう行動が裏表の関係にあったら、これからいつかは子育てをしていく彼はどうやって社会の枠組みや常識観を教えていくのか甚だ不安感を覚える。自分の常識も心配になってくる。

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by yamomet | 2005-05-25 12:52 | 生活ダイアリー


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